Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠7
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 242.044 Zeichen · 477 Bildschirme
金椎は心得て、それに飲物と食物とを与えました。
その日一日、ついに駒井甚三郎はその部屋を出でませんでした。こういうことは必ずしも例のないことではない。不眠不休で働いた揚句、二日二晩も寝通したことさえ以前にあるのだから、金椎はそれを妨げに行こうともしなかったが、夜に入っては、さすがに不安でした。
以前の巨犬は、何か返事の使命を待つものの如く、また使命の重きに悩むものの如く、首垂れて、おとなしく控えている。
「ワンワン、こちらへおいで」
金椎は犬を導いて、自分の室の一隅に入れ、犬と食事を共にし、祈りを共にして、その夜の眠りに就きました。
翌朝、例刻にめざめて、例の通りまず主人の部屋を訪れて見ると、昨日は固く鎖された扉が、今日は押せばすぐにあきました。金椎は、
「お早うございます」
室内に入って見ると、机にも、腰掛にも主人の姿を見ず、寝台の上はもぬけの殻で、人の影はありません。机の上を見ると、常用の大型のノートに一枚の紙が物いいたげにハサまれているのを見る。金椎は心得て、その紙片を取って見ると、主人の筆でサラサラと、
「金椎ヨ、余ハ急ニ感ズルコトアリ、今朝ヨリ暫時ノ旅行ヲ試ミントス。