Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠7
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 242.044 Zeichen · 477 Bildschirme
そうして、かれらの或る者は太鼓を叩き、或る者は笛を吹き、或る者は鉦を打って、残りの者がことごとく踊っている。一見すれば極めて古怪なる妖魅の集い――
彼等は、拍子に合わせて、さんざんに踊ると、赤頭に猩々の面をかぶったのが、
「いかにおのおの方、大儀に覚え候ぞ、一休み致して、また踊ろうずるにて候ぞ」
謡がかりの口調でいうと、
「畏まりて候なり」
一同が踊りをやめて休息に入る。無論、囃子の音も、その時はヒタとやみました。
囃子も、踊りも、ひときわ休息に入ったけれども、この連中のすべてが仮面を取ることをしませんから、誰がどうだと正体のほどはわかりません。
幾つかの篝で、そこらは白昼のよう。前には小流れがあって、背後に山を負うて帆木綿の幕屋。
この谷間の、この部分だけは白昼のように明るいけれども、周囲は黒闇々に近い山々。僅かに二日の月が都留の山の端に姿を見せているばかりです。
この時、猩々は再び立ち上って仮面の下より、
「いざ、このたびは天の返矢を舞おうずるにて候ぞ」
「心得て候」
またも、一同が入りみだれて、舞の庭に立ち上る。狩衣、差貫ようのもの、白丁にくくり袴、或いは半素袍角頭巾、折烏帽子に中啓、さながら能と神楽の衣裳屋が引越しをはじめたようにゆるぎ出すと、笛と大拍子大太鼓がカンラカンラ、ヒュウヒュウヒャラヒャラ。