Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠7
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 242.044 Zeichen · 477 Bildschirme
兵馬の心では、人の噂に聞くことに多くの不思議がある、今は目のあたりその不思議にぶつかったのだから、この機会を逸してはならない、あくまで根元を究めてみようと勘八を引きずり、犬に引張られて、ほどなく例の谷間までやって来ました。
松明の光に、まず照らされたその谷間の光景はすこぶる狼藉たるもので、篝の燃えさしだの、木や竹の片だの、地面に石や穴が散在していることだの、つい今までなにものかが集まっていた形跡は蔽うことができません。もし、ここに相当の陣地を構えていたものならば、逸早く退却してしまったものに相違なく、その退却ぶりを見ると、その形跡こそ狼藉たるものだが、武器や生活の要具は一つも落ちのこされていないことによって、かなり鮮かな退却ぶりだといわなければなりません。
兵馬は勘八の手から松明を借受けて、狼藉たる陣地の跡を隈なく照らし見ようとした刹那、猟犬の縄をゆるめたものですから、犬はまっしぐらに一方へ向いて飛んで行きました。二人がおどろいてその方向を見ると、栗の大樹があって、その根もとに人らしいものがうずくまっている。
勘八は鉄砲を取り直しましたが、兵馬はしかと見定め、