Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠7

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 242.044 Zeichen · 477 Bildschirme

Aozora Bunko

いつか知らず傍らの宇津木兵馬をかたくだきしめていました。

宇津木はそれを知らず、知ったお銀様は、どうしてもこの腕を離しともない心になりました。

十

信州諏訪の温泉、孫次郎の宿についた晩、お雪は久助と外のお湯へ行き、竜之助は、ひとり剃刀で面を撫でておりますと、

「御免下さいまし、お土産をお召し下さいまし」

スルスルと入って来たのは女の声です。竜之助は返事をしないで、なお燈火の下で面を撫でておりますと、入って来た土産物売りは黙認を得たとでも思ったのか、

「いろいろございます、これが諏訪の明神様の絵図、こちらがおなじ明神様の神木でこしらえましたお箸、それから、湖水で取れました小蝦と鮒……」

ここまで並べ来った時に、物売りの女が、あっとおどろいたのは、行燈のあかりが消えてしまったからです。

「おや、お明りが消えました、おつけ致しましょう」

お土産物の陳列をよそにして、行燈のそばに寄った土産売りの女は、その抽斗から火打道具を手さぐりで探して、やっと火をきって附木にうつし、行燈の燈心を掻き立てた時に、再び驚いたのは、この部屋の主は、相変らず面を剃刀で撫でていたからです。