Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠7
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 242.044 Zeichen · 477 Bildschirme
ただ、琵琶を抱えている弁信法師だけが、どう見直しても徳大寺の左大将とは見えないとは言え、あまり喋り過ぎた時は小憎らしいほどな小坊主が、この時は、いかにもしおらしい月下の風流者であります。風流者というより敬虔なる礼拝者のように見えました。
茂太郎もまた、しんみりとして、両手をちゃんと膝に置いたままに、神妙に聞き惚れているのに。どうでしょう、心なき御輿部屋の後ろから姿を見せた白丁の男が、いきなり長い竿を出して、
「おい、誰だい、そこでピンピンやってるのは誰だい、誰にことわってそんなことを始めた、誰の許しを得て歌なんぞをうたうんだい」
闇の中からがなり出したので、せっかく浮き出した情景が、すっかり壊されました。
「へえ、どなたでございますか、まことに申しわけがございません」
せっかく、曲も終りに入ろうとする時に、正直な弁信法師は、撥をとどめて返事をしました。
「申しわけがございませんじゃない、断わりなしに社のお庭へ闖入しては困るじゃないか」
「まことに申しわけがございません……」
弁信法師は琵琶を蓆の上にさしおいて、さて徐ろに弁明を試みようとする態度であります。