Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠7
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 242.044 Zeichen · 477 Bildschirme
と誰やらが教えた。さればこそ、この男は、蓋を開いてあの世の人のたよりを聞きたがっているのだ。
ほどなく米友は、非常に大きな五輪の石塔の前に立っている。石塔の高さは台石ともに二丈もあろう。碑面の文字は、模糊たる暮色につつまれて見えず、米友は、呆然として腕組みをしながら、立ってその石塔をながめていると、
「友さアん、この石を取って下さいな、この石があんまり重いので、出ることができませんわ」
米友はハッと自分の耳を疑いました。今の声は果して墓の底から出た声か、それとも自分の耳から出たのか。
「え、何といった」
米友は両手を耳に当てて、屹と五輪の塔の空輪の上をながめていると、
「この石を取って下さい……この石さえなければ、友さんとわたしと自由に話ができるんですけれども……この石が一つあるばっかりで、お前とわたしとは世界が違うんですから悲しいわ、どうしても会えない別々の世界にいるんですもの……」
米友はその声を聞くと、その声の起った自分の耳朶を掻きむしって地団駄を踏みました。
程なく、宇治山田の米友は、その巨大な五輪の石塔の上へよじ上り、力を極めて、その空輪を動かしはじめました。