Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠7

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 242.044 Zeichen · 477 Bildschirme

Aozora Bunko

「梅ちゃん、今晩から、わたし一人で二階へ寝るから、下はお前に頼みますよ、淋しければお勢ちゃんでも誰でもお呼び」

といって二階の梯子に足をかけると、お梅にはわからないから、

「お嬢様はいらっしゃらないのですか」

「ああ、お嬢様は今日からよそへおいでになったんだから、あとは、わたしが引受けるのさ」

といって、さっさと二階へ上ってしまいました。

二階へ上って見ると、綺麗に取片付けてあるのがよけいに腹が立つ。机の上の置手紙のしてあるのも、見るのが癪だ。

「わがままのやんちゃ者」

戸棚をあけて見てもかわったことはない。お好み通りにととのえて上げた歌の本、読本、絵草紙の類まで耳をそろえてキチンとしている。

藤の花を一面にえがいた大屏風を引きのけて見ると、手ぎわよくたたまれた縮緬の夜具蒲団。

「お嬢様という人も、お嬢様という人じゃないか、子供じゃあるまいし、出るなら出るとことわってくださりゃ、いけないとはいいませんよ。ごらん、わたしたちはああして、下の方に、夜かぶりだってなんだって奉公人同様にして、お嬢様にはこの通り、何一つ不足という思いをさせて上げた覚えはないのに、いくらお嬢様だって、あんまり義理というものを知らな過ぎまさあ」