Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠7
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 242.044 Zeichen · 477 Bildschirme
もう一ぺんこの世へ出せるものなら出してみろ、その上で文句があるならいってみろ、駒井能登守!」
駒井は眼をつぶって、沈黙してしまいました。米友は、唇がわなないて口が利けません。
なんとも手のつけようのないのは、卒塔婆小町の婆さんで、なぜ、この品位ある若殿原が、寺男の米友風情に、こうまで罵られて言句がつげないのか、また、日頃、親切で正直な男が、まるで狂犬みたように、どうして一見の人にガミガミ噛みつくのだか、委細の様子がわかりません。
暫くあって駒井甚三郎は、沈黙をやむなくさせられた口を開いて、
「それでは、友造、わしは、どうすればいいのだ」
「死んだものを活かして返せ!」
と宇治山田の米友が叫びました。これは無理です。本来米友という男は、無理をいわない男であるし、自分が無理をいわないのみならず、他の無理に対しても我儘ということのできない男であります。しかるに、今は、駒井能登守に対して、無茶苦茶な無理をいいかけています。死んだ者を活かして返せとは、人間として、これより以上の無理な註文はないはずであります。駒井甚三郎が、いま失意の境遇にあるよわみをつけ込んで、こういう無理をいいかけるのか知らん。