Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

おおさかをあるく

大阪を歩く

直木 三十五

Lesen Sie 大阪を歩く (おおさかをあるく) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 32.964 Zeichen · 65 Bildschirme

Aozora Bunko

東京の女はこんなにまで不経済になってきている)と、いうよりもハンドバッグの註文に応じる店が心斎橋には無い。

こういうことを云っていると、いかにも私はハイカラらしいが、心斎橋を歩いていていつも羨ましいのは、昆布屋である。昆布の価値は、東京人には判らない。チューインガムという阿呆なものより、昆布のヨードの方がどんなにいいか――私の、少年時代、まだ、大阪の橋々の上には、夏の夜店が許されていた。

その時分の、枇杷葉湯、甘酒――それらは昆布と共に、もう一度、民間の飲み物になってもいい。カルピスなんかよりも、枇杷葉湯は、確に、薬効的であり、甘酒はずっと優れた栄養分を含んでいる。私は、飾窓の装飾を弁えていると同時に、甘酒と、枇杷葉湯の価値も知っている。昆布茶のうまさも知っている。つまり、古今東西の価値を認め温故知新の人間である。

だから、相当に公平であるが、昆布屋と、飴屋と、鮓屋の外、心斎橋から、道頓堀へかけて、何も感心するものは無い(然し、大阪の女性は、こんな物に感心してはいけない。全く食べ物ばかりに感心することになって、恋人に愛想をつかされるかもしれぬから――)。