Japanische Klassiker mit Furigana
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おおさかはっけん
大阪発見
織田 作之助
Lesen Sie 大阪発見 (おおさかはっけん) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.179 Zeichen · 16 Bildschirme
出掛け、なんやあの人男だてらにけったいな人やわという娘たちの視線を、随分狼狽して甘受するのである。
五年前、つまり私が二十三歳の時、私はかなり肩入れをしていたKという少女と二人でいそいそと「月ヶ瀬」へ行った。はいるなりKという少女はあん蜜を注文したが、私はおもむろに献立表を観察して、ぶぶ漬という字が眼にはいると、いきなり空腹を感じて、ぶぶ漬を注文した。やらし人やなというKの言葉を平然と聞流しながら、生唾をのみこみのみこみ、ぶぶ漬の運ばれて来るのを待っていると、やがて、お待ちどうさんと前へ据えられた途端、あッ、思わず顔が赧くなって、こともあろうにそれはお櫃ではないか。おまけに文楽の人形芝居で使うような可愛らしいお櫃である。見渡すと、居並ぶ若い娘たちは何れもしるこやぜんざいなど極めて普通の、この場に適しいものを食べている。私一人だけが若い娘たちの面前で、飯事のようにお櫃を前にして赧くなっているのだ。クスクスという笑い声もきこえた。Kはさすがに笑いはしなかったが、うちいややわと顔をしかめている。しかし、私は大いに勇を鼓してお櫃から御飯をよそって食べた。