Japanische Klassiker mit Furigana
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ぐじんのどく
大雷雨夜の殺人 他8編
小酒井 不木
Lesen Sie 大雷雨夜の殺人 他8編 (ぐじんのどく) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 27.456 Zeichen · 55 Bildschirme
わたしは夢の中のことを思い、この不思議な現象を見て、生まれて初めての大きな驚きを感じました。わたしは一時気が遠くなるように覚えましたが、よくよくお腹を見ると、メデューサの首は墨で描かれたものでありまして、手に唾をつけてその上を擦るとよく消えましたから、わたしはさっそく手拭に湯を浸ませてお腹の上に描かれたメデューサの首を拭い取ってしまいました。
それからわたしが冷静になって考えますと、たしかにだれかが催眠剤によってわたしを眠らせ、メデューサの首の悪戯書きをしたに違いないと思いました。わたしは悪戯そのものよりも、他人がわたしの肉体に触れたということにいっそう腹が立ちました。それと同時にわたしは、メデューサの首がわたしの身体の中に飛び込んだという夢が正夢に思えて、身震いを禁ずることができませんでした。
わたしは悪戯をした人間を憎みましたけれど、事を荒立てて穿鑿することを好みませんでした。で、わたしはそうそうその宿を引き払って東京に帰りましたが、メデューサの首がわたしの身体に飛び込んだという夢と、墨の線でお腹いっぱいに描かれたメデューサの首の印象とが、いつまでも消えないばかりか、日を経てますますそれがはっきりわたしの心に浮かびました。