Japanische Klassiker mit Furigana
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てんのうへいかにささぐることば
天皇陛下にさゝぐる言葉
Lesen Sie 天皇陛下にさゝぐる言葉 (てんのうへいかにささぐることば) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.179 Zeichen · 12 Bildschirme
かく涙を流す人々は、同じ新聞紙上に璽光様を読み笑殺するが、璽光様とは何か、彼女はその信徒から国民儀礼のような同じマジナイ式の礼拝を受けたり、米や着物を献納されたり、直訴をうけたりしており、この教祖と信徒との結びつきの在り方は、そっくり天皇と狂信民との在り方で、いさゝかも変りはない。その変りのなさを自覚せず、璽光様をバカな奴めと笑っているだけ、狂信民の蒙昧には救われぬ貧しさがあります。
超人間的な礼拝、歓呼、敬愛を受ける侘びしさ、悲しさに気付かれないとは、これを暗愚と言わざるを得ぬ。
人間が受ける敬愛、人気は、もっと実質的でなければならぬ。
天皇が人間ならば、もっと、つゝましさがなければならぬ。天皇が我々と同じ混雑の電車で出勤する、それをふと国民が気がついて、サアサア、天皇、どうぞおかけ下さい、と席をすゝめる。これだけの自然の尊敬が持続すればそれでよい。天皇が国民から受ける尊敬の在り方が、そのようなものとなるとき、日本は真に民主国となり、礼節正しく、人情あつい国となっている筈だ。
私とても、銀座の散歩の人波の中に、もし天皇とすれ違う時があるなら、私はオジギなどはしないであろうけれども、道はゆずってあげるであろう。