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Japanische Klassiker mit Furigana

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あまくさしろうのようじゅつ

天草四郎の妖術

国枝 史郎

Lesen Sie 天草四郎の妖術 (あまくさしろうのようじゅつ) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.401 Zeichen · 17 Bildschirme

Aozora Bunko

素晴らしい美童を捉まえての」

「フフン」

と、すると腹中の声は、嘲けるように笑ったものです。

「年甲斐も無い何の事だ」

そこで老人と腹の中の声とは暫く黙って居りました。

寂然と四辺は静かです。

と、老人は腹を撫で腹中に向かって云いました。

「酒が飲みたい。酒が飲みたい」

まだ其声の終えない中に老人の鼻の左の穴からピョイと何物か飛び出しました。草の上へちゃんと坐わる、刺身の載せてある皿でした。すると今度は右の穴から燗徳利が飛び出して来ました。それから両方の鼻の穴から、猪口や箸や様々の物が次々に飛び出して来ましたが、突然カッと口を開くと其処から火を入れた角火鉢が灰も零れず出て来ました。

「何うだ?」と其時腹の中から先刻の声が聞えて来ました「もう大概是れでよかろう?」

「いや未々」

と老人は腹中に向かって叫ぶのです。

「若い別嬪を出してくれ」

「なに別嬪? 贅沢を云うな。そこに美少年がいるじゃ無いか」腹中の声は笑っています。

「女気が無いと寂しくて不可」

「よしよし夫れじゃ出してやろう」

腹中の声が終えると同時に老人の口から十七ぐらいの一人の娘が出て来ましたが細りとした色の白い髪毛の黒い美貌の娘で、四郎を見るとニッコリ笑い、其側へ行って坐わりました。