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Japanische Klassiker mit Furigana

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「ダブックウ」ひょうりゅうき

「太平洋漏水孔」漂流記

小栗 虫太郎

Lesen Sie 「太平洋漏水孔」漂流記 (「ダブックウ」ひょうりゅうき) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.264 Zeichen · 37 Bildschirme

Aozora Bunko

そこには、ドイツ兵士は一人もいず、てんで見たこともない土民兵が睡っている。ちょっと、ポリネシア諸島の馴化土人兵のような服装だ。

「なんだろう。国の兵隊がいず、変なやつがいるが……」

と、見るともなくふと壁へ眼をやると、そこに、土民への布告が張ってある。かれは、みるみる間にまっ蒼になった。留守中、大戦が勃発しこの独領ニューギニアは、いま濠洲艦隊司令官の支配下にあるのが、わかった。ことに、その布告の終りの数行をみたとき、彼はわれを忘れてかっと逆上したのである。

――濠洲軍は、なんじ等に善政を約束する。思えば、永年苛酷なるドイツ植民政策に虐げられた汝らは、ドイツ軍守備隊長フオン・エッセンに対しても、われ等と協力し復讐をわすれなかった。彼らが、家族、敗兵らとともに密林中に逃げこんだとき、汝らはわが言にしたがい間諜をだし、たくみに彼らを導いて殱滅させたではないか。

但し、隊長夫妻ならびにその一子、以下白人戦死体の首の拾得は禁ずる。

フインシャハ守備陸戦隊長ベレスフォード

キューネは、眼がくらくらして倒れそうになった。ことに、彼と仲よしだった隊長の、子ウイリーの死を思うとかっと燃えあがる憤怒。