Japanische Klassiker mit Furigana
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「ダブックウ」ひょうりゅうき
「太平洋漏水孔」漂流記
小栗 虫太郎
Lesen Sie 「太平洋漏水孔」漂流記 (「ダブックウ」ひょうりゅうき) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.264 Zeichen · 37 Bildschirme
密林逃亡者
しかし、キューネは、くらい海上にでるとさすがに亢奮も醒めた。いま、父母の懐ろから拉しこられたにも拘わらず、ベレスフォードの子はかるい寝息をたてている。この、無心神のような子になんの罪がある※(感嘆符疑問符、1-8-78) いかに、復讐とはいえどうして殺せようと、一度理性がもどれば飛んだことをしたと急にキューネはその子が不憫になってきた。
どれどれ、すぐ坊やのお家に帰してやるよ――と、もともとキューネは子供好きだけに、毛布をあげてそっと顔を見ようとした。
夜が明けかかり、星影がしだいに消えてゆく。当て途なく流れてゆくこの独木舟のうえにも、ほの白い曙のひかりが漂ってきた。すると、いきなりキューネがハッと身を退くような表情になり、
「ちがう、こりゃ、ベレスフォードの子じゃない」
とさけんだ。
白人ではない。五歳ばかりの、黒い髪に琥珀色の肌。くりくり肥った愛らしい二重※(「臣+頁」、第4水準2-92-25)。この、意外な東洋人の子におどろいたキューネは、がたがた独木舟をゆすってその子を起してしまった。
「オヤッ」
というようなまん丸い眼をして、しばらくちがった周囲に呆気にとられていたその子は、やがて、しくっしくっと泣きじゃくりを始め、