Japanische Klassiker mit Furigana
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たいへいようまじょう
太平洋魔城
海野 十三
Lesen Sie 太平洋魔城 (たいへいようまじょう) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 93.147 Zeichen · 187 Bildschirme
それを使う時がいよいよ来たのだ。まさかと思った大海魔が、目の前にあらわれたのである。今だ今だ。今この報告をしなければ、ステッキを使う時が、永久に来ないかもしれない。そして、おそらくこれが、最初にして最後の報告になるかもしれない。――太刀川青年は、そんなことを考えながら、ステッキの頭についている蓋をはずすと、内部につめこまれた精巧な超小型の無電機をのぞいた。くわしいことは、軍機の秘密だから、のべられないけれど、機械のどの部分も、ゴムに似たある特別の弾力のあるかたい物でかためてある。なげとばそうと、海水につかろうと、また少しぐらい熱しようと、中にある機械の働きは、少しもくるわないというすばらしいものだ。
太刀川青年は、ステッキの中から、紐のついた南京豆ほどの奇妙な受話器をひっぱりだし、耳の穴に入れた。そして右の指先で、小さな無電の電鍵を、こつこつとたたいた。
「X二〇三、X二〇三」
それは、例のよびだし符合であった。
太刀川は、そのよびだし符合を、十四ほど、つづけざまにうった。
それがすむと、電鍵のそばについているスイッチをきりかえた。それは、機械が、以後電話ではたらくように、なおしたのだった。