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Japanische Klassiker mit Furigana

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たいへいようまじょう

太平洋魔城

海野 十三

Lesen Sie 太平洋魔城 (たいへいようまじょう) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 93.147 Zeichen · 187 Bildschirme

Aozora Bunko

がぶりと、大きな波が二人をのみこんだ。

波とたたかう

太刀川青年は、石少年の手をとったまま、水をけって、水面へ浮かび出た。

飛行艇は、その時、背中を半分ほど海面にあらわし、プロペラを夕空に高く、つき出していたが、ずぶずぶと、大きな姿を没して行く。

艇員や乗客たちが、たがいに呼び合う声が、波の音、風の音にまじって聞える。

「ダン艇長は?」と、あたりを見まわしたが、いくつもの頭が、波のまにまに見えるだけで、誰がどこにいるのかわからなかった。

「ぷーっ」

石少年が、のんでいた水をふきだした。

それを見て、

「おお、石福海、おまえは、どのくらい泳げるか」

太刀川はきいた。

「泳ぎ? 泳ぎなら、百里は、大丈夫ある。わたし生れ香港、五つの時から泳ぎおぼえた」

石少年は、立泳ぎをしながら、こんなのんきな返事をした。

「なに、百里? あきれた奴じゃ」

太刀川は、思わず笑って、石少年の顔を見た。

波はまだ大きい。

西の水平線に、しずみかかった太陽が、海面を金色にそめているのが、かえってものすごかった。

クリパー号は、もう波間にのまれてしまって、そのあととおぼしいあたりに、乗客たちの持ち物が、ただよっている。