Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいきょしほうでん

太虚司法伝

田中 貢太郎

Lesen Sie 太虚司法伝 (だいきょしほうでん) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.847 Zeichen · 16 Bildschirme

Aozora Bunko

「この胡鬼奴、ふざけた真似をしやがるから、罰があたったのだよ」

大異はそのまま簷下へ出て月の下を透して見た。そこにも夜叉の姿が見えなかった。夜叉はやはり寺が怖いので逃げたものだろうと思った。

大異は寺から見当をつけて前へ前へと歩いた。その往っている方向に当って、月の陰になったように暗い所があって、そこから燭の光がきらきらと光っているのを見た。大異ははじめて人間の世を見つけたような気がしたので、夜叉への用心も忘れてその方へ急いだ。

燭の光の中に数人の人の動く影が見えた。その人びとは酒宴でもしているような容であった。大異はその人びとの側に一刻も早く往きたかった。大異は足よりも心の方がさきになって往った。

人びとの面白そうに話す声が聞えてきた。大異はもうその人びとといっしょになったように思って、とかとかその側へ寄って往った。そして、大異はそこでまた恐ろしいものを見た。それは頭のない者や、頭があれば手の一本か足の一本かがないような者ばかりが集まっているところであった。大異はまた厭なものを見たと思ったので、そのままその傍をそれて走った。

背後の方から怒り罵る声が聞こえてきた。