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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぶにんりしょうき

夫人利生記

泉 鏡花

Lesen Sie 夫人利生記 (ぶにんりしょうき) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.693 Zeichen · 26 Bildschirme

Aozora Bunko

婦は人間離れをして麗しい。

この時、久米の仙人を思出して、苦笑をしないものは、われらの中に多くはあるまい。

仁王の草鞋の船を落ちて、樹島は腰の土を払って立った。面はいつの間にか伸びている。

「失礼ですが、ちょっと伺います――旅のものですが。」

「は、」

「蓮行寺と申しますのは?」

「摩耶夫人様のお寺でございますね。」

その声にきけば、一層奥ゆかしくなおとうとい利天の貴女の、さながらの御かしずきに対して、渠は思わず一礼した。

婦はちょうど筧の水に、嫁菜の茎を手すさびに浸していた。浅葱に雫する花を楯に、破納屋の上路を指して、

「その坂をなぞえにお上りなさいますと、――戸がしまっておりますが、二階家が見えましょう。――ね、その奥に、あの黒く茂りましたのが、虚空蔵様のお寺でございます。ちょうどその前の処が、青く明くなって、ちらちらもみじが見えますわね……あすこが摩耶夫人様でございます。」

「どうもありがとう――尋ねたいにも人通りがないので困っていました。――お庇様で……」

「いいえ……まあ。」

「御免なさい。」

「お静におまいりをなさいまし……御利益がございますわ。」

と、嫁菜の花を口許に、瞼をほんのり莞爾した。