Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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かのうせいのぶんがく

夫婦善哉

織田 作之助

Lesen Sie 夫婦善哉 (かのうせいのぶんがく) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 47.834 Zeichen · 94 Bildschirme

Aozora Bunko

この稿を草する間にも、彼はいかがわしい施薬結果を、全国の新聞紙上に広告した。即ち、それによると、過去四ヵ月の間に七十名の貧病者に無料施薬をしたというのである。全国数十万の肺患者のうち、僅か七十名(もっとも、引続きより以上の数に達するかも知れぬが)に施薬しただけのことを、鬼の首でもとったようにでかでかと吹聴するのは、大袈裟だ。

いまその施薬の総額を見積ると、見舞金が七十人分七百円、薬が二千百円、原価にすれば印紙税共四百二十円、結局合計千二百円が実際に費った金額だ。ところが、この千二百円を施すのに、丹造は幾万円の広告費を投じていることか、広告は最初の一回だけで十分だ。手前味噌の結果報告だけに万に近い広告費を投ずるとは、なんとしてもうなずけぬ……。

やられてるじゃないか。ちゃんと見抜かれてるじゃないか。いや、何もおれは今更お前の慈善行為にけちをつける気は、毛頭ない。目的はどうであれ、慈善は大いによろしい。広告費の何万円とかも国のためになるような方法で使ったら、一層よかったねなどと、この際言っても、もう追っ付くまい。ただ、おれはこれだけ言って置きたい。