Japanische Klassiker mit Furigana
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ふしぎなとおめがね
奇妙な遠眼鏡
香倶土 三鳥
Lesen Sie 奇妙な遠眼鏡 (ふしぎなとおめがね) von 香倶土 三鳥 (かぐつちみどり) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.759 Zeichen · 14 Bildschirme
リイはどうしようかと思いましたが、それと一所に今のお婆さんが云ったことを思い出しまして、ためしに黒い棒を片っ方の眼に当てて、向うの山の上のお月様をのぞいて、教わった通り、
「アム」
と云って見ました。
リイはあんまり不思議なのに驚いて、棒を取り落そうとした位でした。
お月様の世界がリイの眼の前に見えたのです。
見渡す限り真白い雪のような土の上に、水晶のように透きとおった山や翡翠のようにキレイな海や川がありまして、銀の草や木が生え、黄金の実が生って、その美しさは眼も眩むほどです。その中に高い高い大きな大きな金剛石の御殿が建っていて、その中にあのお伽噺の中にある竜宮の乙姫様のような美しいお嬢さんがこちらの方を見て手招きをしております。
リイは急に行って見たくなりましたから、又教わった通り呼吸を詰めて、
「マム」
と言って見ました。
リイが遠眼鏡をのぞいて、「マム」と魔法の言葉を使いますと、向うに見えている月の世界のけしきがだんだん近寄って来ました。
宝石の身体に金銀の羽根を持った鳥や虫、または何とも云いようのない程美事な月の御殿の中の有り様や、そこに大勢の獣や鳥を連れて迎えに出て来た美しいお姫様の姿なぞが、ズンズン眼の前に近づいて来ました。