Japanische Klassiker mit Furigana
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きかいなさいかい
奇怪な再会
Lesen Sie 奇怪な再会 (きかいなさいかい) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.996 Zeichen · 43 Bildschirme
お蓮はほとんどその晩中、いくら牧野が慰めても、浮かない顔色を改めなかった。……
「御新造の事では旦那様も、随分御心配なすったもんですが、――」
Kにいろいろ尋かれた時、婆さんはまた当時の容子をこう話したとか云う事だった。
「何しろ今度の御病気は、あの時分にもうきざしていたんですから、やっぱりまあ旦那様始め、御諦めになるほかはありますまい。現に本宅の御新造が、不意に横網へ御出でなすった時でも、私が御使いから帰って見ると、こちらの御新造は御玄関先へ、ぼんやりとただ坐っていらっしゃる、――それを眼鏡越しに睨みながら、あちらの御新造はまた上ろうともなさらず、悪丁寧な嫌味のありったけを並べて御出でなさる始末なんです。
「そりゃ御主人が毒づかれるのは、蔭で聞いている私にも、好い気のするもんじゃありません。けれども私がそこへ出ると、余計事がむずかしいんです。――と云うのは私も四五年前には、御本宅に使われていたもんですから、あちらの御新造に見つかったが最後、反って先様の御腹立ちを煽る事になるかも知れますまい。そんな事があっては大変ですから、私は御本宅の御新造が、さんざん悪態を御つきになった揚句、御帰りになってしまうまでは、とうとう御玄関の襖の蔭から、顔を出さずにしまいました。