Japanische Klassiker mit Furigana
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きかいなさいかい
奇怪な再会
Lesen Sie 奇怪な再会 (きかいなさいかい) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.996 Zeichen · 43 Bildschirme
何故男が彼女の所へ、突然足踏みもしなくなったか、――その訳が彼女には呑みこめなかった。勿論お蓮は何度となく、変り易い世間の男心に、一切の原因を見出そうとした。が、男の来なくなった前後の事情を考えると、あながちそうばかりも、思われなかった。と云って何か男の方に、やむを得ない事情が起ったとしても、それも知らさずに別れるには、彼等二人の間柄は、余りに深い馴染みだった。では男の身の上に、不慮の大変でも襲って来たのか、――お蓮はこう想像するのが、恐しくもあれば望ましくもあった。………
男の夢を見た二三日後、お蓮は銭湯に行った帰りに、ふと「身上判断、玄象道人」と云う旗が、ある格子戸造りの家に出してあるのが眼に止まった。その旗は算木を染め出す代りに、赤い穴銭の形を描いた、余り見慣れない代物だった。が、お蓮はそこを通りかかると、急にこの玄象道人に、男が昨今どうしているか、占って貰おうと云う気になった。
案内に応じて通されたのは、日当りの好い座敷だった。その上主人が風流なのか、支那の書棚だの蘭の鉢だの、煎茶家めいた装飾があるのも、居心の好い空気をつくっていた。
玄象道人は頭を剃った、恰幅の好い老人だった。