Japanische Klassiker mit Furigana
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きだんクラブ〔せんごばん〕
奇談クラブ〔戦後版〕
野村 胡堂
Lesen Sie 奇談クラブ〔戦後版〕 (きだんクラブ〔せんごばん〕) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.545 Zeichen · 23 Bildschirme
何とかいたして八千五百石の大森摂津守を見下すほどの出世をして、この鬱勃を晴らしたい心で一パイで御座るよ」
秋月九十郎は、その逞しい肩を張るのです。この男は、斯うと思い込んだら、その目的を果すためには、どんな事でもやり兼ねない性の人間です。
「それは羨ましい、――拙者にはその気力は無い。せめて大森家の奥深く入った、お綾殿のおもかげを、夢にでも見る工夫はあるまいかと、そればかりが悩みの種で――」
「人それぞれ、志の違うのはいたし方もない。ところで妻木氏」
「――――」
「それほどの御熱心なら、思う存分の夢を見る手段が御座るが、伝授いたそうか」
「何んと言われる?」
秋月九十郎は大変なことを言い出しました。
「それは此枕だ――」
九十郎は持参の包みを解くと、中から古めかしい桐の箱が現われました。箱を開いて取出したのは、燃ゆるような金襴に、緑色の縁を取って、両端のグイと反った、支那風の四角な枕です。
「――この枕だ。これは拙者の先々代が、長崎奉行に従って彼地にあった時、異人を助けてその謝礼に貰った物だというが、異妖の枕として、子孫の使用を禁じ、今日拙者の手にまで伝わったものだ」