Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
奇譚 銭形平次 「銭形平次捕物控」傑作選
野村 胡堂
Lesen Sie 奇譚 銭形平次 「銭形平次捕物控」傑作選 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 31.249 Zeichen · 62 Bildschirme
「――」
「三千石の大世帯で一朱はケチだと思うだろう、俺もそう思ったよ、最初はね。ところが驚いちゃいけないよ、奥方のお使いでやって来たお初さんは、ピカリと光らせたぜ。帰ってからそっと開けてみると、小判で三両、ほかにお初さんの分が一分――山吹色のできたての小判だぜ。ね、親分、三千石の奥方はさすがに大気なものだろう」
辰五郎の繰言は際限もなく続きますが、平次はそれをいい加減にあしらって、お滝の死骸を一応調べました。
多分昨夜のままらしく、血潮に染んだ袷のまま、床の上に横たえた死骸は、亭主の辰五郎と同年輩の三十前後、でしょうか。生きているうちは、ずいぶん美しかったに違いありませんが、すさんだ生活と気持が、その顔容ちまでも荒れさして、意志の働かない死面の凄まじさは、平次も思わず顔をそむけたくらい。蒼白く整った顔からは、芬々として妖気が立昇るような気がするのです。
傷はお君の場合と全く同様、細い刃物で背後からひと突きに突き上げたものですが、お君の場合は思い切り抉ってあるのに、これはただ突いただけで、同じく致命的なものであったにしても、大変な違いがあります。
「刃物は?」