Japanische Klassiker mit Furigana
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きぞくひがん
奇賊悲願
海野 十三
Lesen Sie 奇賊悲願 (きぞくひがん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.375 Zeichen · 19 Bildschirme
なおその上に、彼の射撃たるや千発千中どころか万発万中という完璧な命中率を保持していることであった。
さような次第だから、的矢貫一が出獄し、当節の一から百まで腹立たしい世間へ顔を出したとなると、単純な彼を怒らせる機会はいくらでも転がっていて、ぱぱンぱぱンと直ぐさまピストルから煙を出すようになることは必至である――と、義兄烏啼天駆は推測しているのである。
ピストルから弾丸をくりだせば、当今どういうことになるか、恐ろしい結末になることは知れていた。それに奇賊烏啼としては、ピストルを放って相手の命を取りっ放しにしたり、重傷を負わせて溝の中に叩きこんで知らぬ顔をしたりするのは、極めて彼の趣味と信条に反する唾棄すべき事柄であった。そんなことがあれば、烏啼はふだん何とかかんとかいって紳士ぶっているが、彼奴の弟は人間にあるまじききたないことをやっているじゃないかと、世間から後指を指されるのが、今から予想するだに烏啼にはたまらない厭なことだった。
さりとて、この義弟を掴えて、ピストルを発射するな、弾丸を人様に命中させるなと強意見を加えても、それは蛙の面に小便、鰐の面に水のたぐいであって、とても義弟の行状を改めさせる効力のないことは、それを試みるまでもなく分っている。