Japanische Klassiker mit Furigana
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きぞくひがん
奇賊悲願
海野 十三
Lesen Sie 奇賊悲願 (きぞくひがん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.375 Zeichen · 19 Bildschirme
「よし、いいことを思いついた。それを思いついたは、貴公の幸運というものじゃ。こういうことで行こう。近う寄れ」
そこでかの心友は猫背を一層丸くして、烏啼の耳に何事かを囁いたのであった。
「えっ、彼奴にピストルを持たせて……ふんふん、ええっ、やっちまうのか。それでは虎を野へ放つようなもの……え、大丈夫か。ふんふん、ふうん。……そうかなあ。いや君を信ずるよ、僕は。よろしい、どうか頼む」
烏啼は、手を合わせて心友を拝んだ。
お志万は二十二
烏啼の本塞の奥の間で、夕飯の膳が出ていた。烏啼天駆と、問題の義弟の的矢貫一と、そしてかねて烏啼が的矢に娶わせたいと思っている養女のお志万と、この三人だけの水入らずの夕餉だった。
お志万は丸ぽちゃの色白の娘で和服好み、襟元はかたくしめているが、奥から覗く赤い半襟がよく似合う。お志万は天駆と貫一へのお酌に忙しい。
「おい貫一。こんどはお前も自ら責任をとって万事をやれよ」
「はい、はい」
「責任ある生活を始めるには、何といってもまず身を固めにゃならねえ。結論をいえば、お志万と結婚し新家庭を作れやい」
「いや、それは御免を蒙りましょう」