Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ぶぎょうとにんそうがく
奉行と人相学
菊池 寛
Lesen Sie 奉行と人相学 (ぶぎょうとにんそうがく) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.053 Zeichen · 17 Bildschirme
長吉、そちはよほど、人に善根を施しているのだな」
「善根とは……」
「人に情をかけたことじゃ。そちは、よほど人を助けていると見えるぞ。ありていに、云って見たらどうだ」
「こんなケチな野郎に、たいした事は、出来ません。ホンの煙草銭ぐらいは……」
「いや、そうじゃあるまい。お前の恩を、泣いて喜んでいる者が、いく人か居るに違いない。思い出して見い」
「いやア……」と、云いかけたが、さすがにそのままだまって考えていた。
「思い出すだろう、かくさず云って見い」
と越前は催促した。
「そうでございますなア。こんなに、よろこんでくれるのなら、これからもまた、人に金をやろうと思ったことが、一度ございます。二年ばかり前でございましょうか、十一月も末のある晩、四つ頃(十時)でございましたろう、永代橋の上を通りかかりますと夜泣きそばが、屋台をおろしていましたので、立ち寄って一杯ひっかけましたが、そのそば屋と云うのが、十三、四の小僧でございます。うすぎたない袷を着てガタガタふるえているのでございます。しかも、真青なひだるそうな顔をしているのでございます。『お前ひもじいのじゃないか』と、きいてやりますと、三日食っていないのだと云います。