Japanische Klassiker mit Furigana
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おくさまとおんなこじき
奥さまと女乞食
小川 未明
Lesen Sie 奥さまと女乞食 (おくさまとおんなこじき) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.070 Zeichen · 9 Bildschirme
「いま、ここへ持ってきますから、お持ちなさい。」と答えて、奥さまは、ふたたび奥へはいって、自分で米をますに山盛り持ってこられました。
「まあ、こんなに、ありがとうぞんじます。」と、女房はいって、かぶっていた前垂れをとって、その中へ米をいれてもらいました。風は、女房の灰色がかった髪の毛を吹いています。
「なかなか、寒うございますが、お坊ちゃまは、どうもなさいませんですか。」と、女房は、たずねました。
「ねえやに、おんぶして、いま、眠っています。」と、奥さまは、笑っていいました。
「いい赤い帽子を買って、おあげなすって、たいへんに、おかわいらしゅうございますこと。昨日ねえやさんに、おんぶして、前をお通りになりましたとき、にこにこしていらっしゃいました。ほんとうに、ご不自由がなくて、おしあわせでございます。」と、女房は、お世辞を残して帰っていきました。
それから、二、三日後のことであります。坊ちゃんは、赤い帽子をかぶって、女中におぶわれて、雪晴れのした、日当たりに出て、雨滴のぴかぴか光り、落ちるのをおもしろがって、きゃっきゃっと笑いながら見ていました。そのうちに、まるまるとした、かわいらしい手を出して、自分のかぶっている帽子をとって、下のぬかるみの中に投げてしまいました。