Japanische Klassiker mit Furigana
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おんなのいっしょう
女の一生
森本 薫
Lesen Sie 女の一生 (おんなのいっしょう) von 森本 薫 (もりもとかおる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.068 Zeichen · 25 Bildschirme
けい そお、私だって男の人に手なんて、握られたの初めてよ、とても変な気のするものね。身体中の血が、一ぺんにぶくぶくって煮え返るんじゃないかと思うくらいよ。ふふふ。私、新ちゃんを突きとばしてうちへ逃げて帰ったけど、慌てて台所の鉄瓶蹴とばしてしまったわ。うちのおばさん、怒って物さしで私の頬っぺた二十もぶったけど私、痛いとも何とも思わなかったくらいよ。
栄二 おい、そんなに傍によるなよ。お前、どうして僕にそんな話するんだ。
けい あら、あなた、私が怖いの? 何故そんなにおっかなそうな顔するの。(笑って)なにもしやしないわよ。あんたなら、私の手、握ったって、私じっとしててよ。ほら……。(すり寄る)
栄二 こら(つき飛ばして)彼方へ行け!
けい 痛い! (と、どっかにぶっつけた肘をこすっている)
栄二 傍に寄るとぶん殴るぞ!
けい 乱暴ね、あんた。
伸太郎。
伸太郎 栄二、どうしたんだ。大きな声出して。
栄二 兄さん、此奴、泥棒なんだ。あすこから入って来て、櫛とろうとしたんだ。僕がお母さんに上げる櫛持っていこうとしたんだ。お巡りさん呼んで、警察にわたしてやるんだ。
けい あら、それだけは御免して、後生だから、お巡りさんに渡すのは堪忍して頂戴。