Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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じょよう

女妖

江戸川 乱歩

Lesen Sie 女妖 (じょよう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.691 Zeichen · 20 Bildschirme

Aozora Bunko

「二十日ほどです」

「よく、つかまらなかったのね」

「伯父は警察に云わなかったのかも知れません。でも、伯父は全財産をとられて、病気になるほど驚いたでしょう。ほんとうに病気になって寝ているかも知れません」

「可哀そに思うの?」

「可哀そうです。しかし、ぼくは、あの人の顔を二度と見たくありません。ゾッとするほどきらいなのです」

「かわってるのね。いっとう親しい人が、いっとう嫌いなのね。……お友達は?」

「ありません。みんなぼくとは違う人間です。ぼくの気持のわかるやつなんて、一人もいません。奥さん、あなただって、ぼくの気持、わかりっこありませんよ」

「まあ、奥さんだなんて。あたし、奥さんに見えて?」

「じゃあ、なんです」

「あなたと同じ、ひとりぼっちの女よ。まだ名前を云わなかったわね。あたし相川ヒトミっていうの。親から譲られたお金で、勝手な暮しをしている変りものよ。あなたのお友達になってあげるわ。あんまり独りぼっちで、可哀そうだから」

婦人は立ち上がって、浩一のかけている長椅子に席をかえた。そのとき、バンドをしめていないガウンの前が、花の咲くように、フワッとひらいて、桃色の全身がチラリと見えた。