Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おんなきゃく

女客

泉 鏡花

Lesen Sie 女客 (おんなきゃく) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.052 Zeichen · 16 Bildschirme

Aozora Bunko

まあ、お民さん許で夜更しして、じゃ、おやすみってお宅を出る。遅い時は寝衣のなりで、寒いのも厭わないで、貴女が自分で送って下さる。

門を出ると、あの曲角あたりまで、貴女、その寝衣のままで、暗の中まで見送ってくれたでしょう。小児が奥で泣いている時でも、雨が降っている時でも、ずッと背中まで外へ出して。

私はまた、曲り角で、きっと、密と立停まって、しばらく経って、カタリと枢のおりるのを聞いたんです。

その、帰り途に、濠端を通るんです。枢は下りて、貴女の寝た事は知りながら、今にも濠へ、飛込もうとして、この片足が崖をはずれる、背後でしっかりと引き留めて、何をするの、謹さん、と貴女がきっというと確に思った。

ですから、死のうと思い、助かりたい、と考えながら、そんな、厭な、恐ろしい濠端を通ったのも、枢をおろして寝なすった、貴女が必ず助けてくれると、それを力にしたんです。お庇で活きていたんですもの、恩人でなくッてさ、貴女は命の親なんですよ。」

とただ懐かしげに嬉しそうにいう顔を、じっと見る見る、ものをもいわず、お民ははらはらと、薄曇る燈の前に落涙した。

「お民さん、」