Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

おんなごころのつよければ

女心の強ければ

豊島 与志雄

Lesen Sie 女心の強ければ (おんなごころのつよければ) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 47.011 Zeichen · 94 Bildschirme

Aozora Bunko

「僕はちょっと、ここに残ってるよ。先に行ってくれ。」

石山はなんとも言わずに、長谷川の様子を眺め、一つ大きく吐息をして、そして立ち去った。

長谷川はうつろな眼で石山を見送り、それから頬杖をついて煙草を吹かしたが、それを半分きりで灰皿に突っこんだ。

地下室、と彼はまた意味もなく呟いた。そして立ち上った。突然、冷静に返った心地がした。

煙草の煙がだいぶ立ちこめ、スタンドの片端で、がらがらダイスを振ってる客があった。

長谷川は静かな足取りで、真直に柿沼のボックスの方へ行った。

七

長谷川は柿沼の横手につっ立ち、どういう風に言葉をかけようかと迷った。

柿沼は静かに顔を挙げて、長谷川を見た。その眼差しが初めはぼやけて、やがて焦点が定まってくる、そういう見方だった。

「長谷川さんですか。しばらくでした。」

頷くような軽い会釈をした。

「お一人ですか。」と長谷川は尋ねた。

「ええ、さあどうぞ。」

指された席へ、長谷川は彼と向き合って坐った。そして女給に、彼と同じ酒肴、ビールにハムにチーズを註文した。

そのことが、長谷川自身、なにか滑稽な感じを持たせた。どうして柿沼と同じ品をあつらえたのか。