Japanische Klassiker mit Furigana
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おんなごころのつよければ
女心の強ければ
豊島 与志雄
Lesen Sie 女心の強ければ (おんなごころのつよければ) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 47.011 Zeichen · 94 Bildschirme
靴店に見立てたっていい。」
「まあ、失礼ね。それより、袋物の店か、画廊……。」
「鞄の店は、どうです。しかし、この鞄、小さいくせにずいぶん重いなあ。なにがはってるんです。」
「貴重品ばかり。」と千代乃は笑った。
散歩のようなぶらぶら歩きだった。西空は靄深くて、夕陽が赤い盆のように見えた。堤防の斜面には、雑草の小さな花が点々と咲いていた。人けの見えない大きな船が、河の真中を滑るように下っていった。
堤防が低くなり、樹木の茂った丘の麓道となり、河沿いに大きく迂回すると、すぐそこに、目指す家が、ひっそりと静まり返っていた。
田舎娘らしい女中が出て来、次にお上さんらしいひとが出て来て、二人は二階の奥に通された。簡素に出来てる室で、床の間の山水の軸物の前に、菊の花が活けてあった。
腰高の壁の硝子戸を開くと、道を距てて、びっくりするほど近く眼の下に、河が流れていた。河幅は広く、その先も河床の広い草地で、向うに高い堤防があった。夕陽はもう靄に隠れたらしかったが、河の面にはまだちらちら光りが浮いていた。
大雨で水が出たら、この家、どうするのだろう。そのような思いがする場所である。