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Japanische Klassiker mit Furigana

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おんなごころのつよければ

女心の強ければ

豊島 与志雄

Lesen Sie 女心の強ければ (おんなごころのつよければ) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 47.011 Zeichen · 94 Bildschirme

Aozora Bunko

そして口惜しいんです。」

長谷川は黙って、その続きを待った。彼女は彼の顔をじっと見た。

「実は、昨日、柿沼に逢いました。」

「え、あなたが。」

「わたしの方から逢いに行きました。」

それきり彼女は黙ってしまった。だが、まだ長谷川の顔を見ていた。ほんとに見てるのかどうか、まばたき一つしなかった。

「そして、どうだったんです。」

その言葉で、彼女は眼をそらした。それから皮肉な笑みを浮べた。

自然に彼女が打ち明けるのを、待つより外はなかった。

酒肴が来ると、長谷川はすぐ猪口を取り上げた。

「僕も、偶然、柿沼さんに逢いましたよ。」

「聞きましたわ。そしてなにか、わたしに言づけがあったのでしょう。伯母さんにも言づけがありましたの。」

酒を飲んでるうちに、彼女は自然に饒舌りだした。そうなると、もうなんの隠し距てもなかった。

千代乃はかなりまとまった金を工面し、将来に対する覚悟と夢想とを懐いて、三田の伯母さんのところへ出て来たのだった。その晩、いろいろな話の末、柿沼からの伝言を聞いた。何処ででもいいから、ちょっと、そして至急に、逢いたいというのである。

千代乃が間もなく東京に出て来るということを、柿沼はどうして知ったのであろうか。