Japanische Klassiker mit Furigana
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じょせいと
女生徒
Lesen Sie 女生徒 (じょせいと) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 39.101 Zeichen · 78 Bildschirme
井戸端の茱萸の実が、ほんのりあかく色づいている。もう二週間もしたら、たべられるようになるかも知れない。去年は、おかしかった。私が夕方ひとりで茱萸をとってたべていたら、ジャピイ黙って見ているので、可哀想で一つやった。そしたら、ジャピイ食べちゃった。また二つやったら、食べた。あんまり面白くて、この木をゆすぶって、ポタポタ落としたら、ジャピイ夢中になって食べはじめた。ばかなやつ。茱萸を食べる犬なんて、はじめてだ。私も背伸びしては、茱萸をとって食べている。ジャピイも下で食べている。可笑しかった。そのこと、思い出したら、ジャピイを懐かしくて、
「ジャピイ!」と呼んだ。
ジャピイは、玄関のほうから、気取って走って来た。急に、歯ぎしりするほどジャピイを可愛くなっちゃって、シッポを強く掴むと、ジャピイは私の手を柔かく噛んだ。涙が出そうな気持になって、頭を打ってやる。ジャピイは、平気で、井戸端の水を音をたてて呑む。
お部屋へはいると、ぼっと電燈が、ともっている。しんとしている。お父さんいない。やっぱり、お父さんがいないと、家の中に、どこか大きい空席が、ポカンと残って在るような気がして、身悶えしたくなる。