Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おんなひゃっかてん

女百貨店

吉行 エイスケ

Lesen Sie 女百貨店 (おんなひゃっかてん) von 吉行 エイスケ (よしゆきえいすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.787 Zeichen · 20 Bildschirme

Aozora Bunko

「いまになって三マルとはひどいではないか。昨日まであんたは四マル半ぐらいなら妾がいただくから他には話さないでくれと狂気のようになってわしにたのんだ。わしはあんたを信じた。あんたは、わしが今日限り抵当ながれにならなくてはならないわしの土地についてはよく承知なんだ。」

「妾残念に存じます。妾の無力をわたしは悲しく存じますわ。」

「あんたはわしを死ぬような目にあわしなすった。」

「どうか、妾を悪い女にしないでください。あなたのお顔を見ていると、妾はいまになってどうしていいか分らなくなってしまったのです。」

「万事休す。わしはだまされた。」

影を失った、老いた男を横目で見ながらミサコは右肩をかるくゆすった。生真面目な顔をしたカリタが彼にむかって、

「お気の毒に存じます。しかし何分相手が女だものですから、あさはかにも欲しい一念から堅い口をききましたのでしょう。それでは抵当権はそのまま当方に引うけることに致しましょう。値違い八千円をもってお取引いたすことにしまして、私が代理人としてこれから登記所へまいります。」

ミサコは二人を送りだすと、暈を感じたが、そのまま都会の火事の騒音のなかに巻きこまれてしまった。