Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
こうい
好意
豊島 与志雄
Lesen Sie 好意 (こうい) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.059 Zeichen · 40 Bildschirme
がそれは、月の光、虫の聞、肺病患者、看護婦……そう云ったものから連想される話とはずっと異った、至極健全な常識的な而も謎のような、全くお伽噺とも云えるようなものだったに違いない。
吉岡は私の視線を辿って、障子の腰硝子から庭の朝日の光を仰いだ。暫く黙ってた後に、低い声で云った。
「だが………月の光や虫の声よりも、朝日の光の方がいいね。」
それでも私の耳には、植込の影にちろちろ泣き後れてる虫の声がび聞えていた。振向いて見ると、彼は眼を見据えたまま珍らしく微笑んだ。その、爽かな明るみの中に浮出してる窶れきった蒼ざめた頬に上った、弱々しい恥しそうな微笑の方が、お伽噺なんかのことよりも深く私の頭に刻み込まれた。
そしてもう私達は、河野のことや八百円の金のことなんかは、一言も口にしなかった。そんなことはどこかへ飛び去っていた。――表面から見れば、得をしたのは看護婦である。