Japanische Klassiker mit Furigana
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おばけのこえ
妖怪談義
柳田 国男
Lesen Sie 妖怪談義 (おばけのこえ) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.618 Zeichen · 16 Bildschirme
不思議でたまらなかったが、悪いことをしたと思うから誰にも理由を尋ねてみることができない。ただ人々がそのおばあさんの噂をしている際に、いつも最も深い注意を払っていただけであったが、そのうちに少しずつ判って来た事は、どういうわけがあったかその年寄は、始終蝋石のまん丸な球を持っていた。床に就いてからもこの大きな重いものを、撫でさすり抱え温めていたということである。それに何等かの因縁話が添わって、死んでからこの丸石を祠にまつり込めることになったものと想像することはできたが、それ以上を聴く機会はついに来なかった。
今から考えてみると、ただこれだけの事でも、暗々裡に少年の心に、強い感動を与えていたものらしい。はっきりとはせぬが次の事件は、それから半月か三週間のうちに起こったかと思われるからである。その日は私は丸い石の球のことは、少しも考えてはいなかった。ただ退屈をまぎらすために、ちょうどその祠の前のあたりの土を、小さな手鍬のようなもので、少しずつ掘りかえしていたのであった。ところがものの二三寸も掘ったかと思う所から、不意にきらきらと光るものが出て来た。よく見るとそれは皆寛永通宝の、裏に文の字を刻したやや大ぶりの孔あき銭であった。