Japanische Klassiker mit Furigana
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いもうとのし
妹の死
中 勘助
Lesen Sie 妹の死 (いもうとのし) von 中 勘助 (なかかんすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.837 Zeichen · 18 Bildschirme
子供はむかいの釜屋の夫婦が無性にかわいがってたいがい朝から借りてって一日じゅう遊ばせている。狭い人通りのない路ゆえ子供のはしゃぐ声がよくきこえる。善い人たちらしい。
黒い蜂が蜘蛛をとりにきて巧に巣からとってゆく日があった。また蝙蝠の飛ぶ夕べがあった。雨の日も、雷の日も。
井戸ばたへ顔を洗いにゆくと大きなざぼんの木があって青いのがたくさんなっている。その涼しい木蔭には金色をしたつがいの逞しい鶏が自分たちの領分みたいにいつもならんでるが、人がゆくと雄のほうが喉をならして羽根のはえた足をのさのさと大股にはこぶ。妹がかたづいてからはじめて上京したときにところの風のかわってることなど話して笑いながら、盆暮れには家になるざぼんをひとつずつ知るべへくばるのだ といったが、それはこのことだったのだ。
ある日妹は
「□□さんきっとああいうところが好きだからいってごらんなさい、裏のお濠のふちにたったひとつ狭い部屋があるから」
といった。それはもと物置だったところへ畳をいれたので今でも物置なのだが、いろんなものをつめたあいだに人ならばやっと二人横になれるほどの余地がある。