Japanische Klassiker mit Furigana
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いもうとのし
妹の死
中 勘助
Lesen Sie 妹の死 (いもうとのし) von 中 勘助 (なかかんすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.837 Zeichen · 18 Bildschirme
思うでもない。――彼女が私に求めて、そして得たのはこの胸であった。手ではなかった――夜なかに妹があんまりじれたり悶えたりすると私は目をさましてひとりで笑う。妹は苦しいときにはこのへんの言葉で きつい きつい といって訴える。自分の苦痛をわかってほしいばかりに永い間に使いなれたのであろう。
妹は大儀だもので用事のほかにはよっぽど気分のいいときででもなければそばにいる私にも話しかけない。彼女はあるとき
「吐がくるとすぐ□□さんが見にきてくれるから嬉しくて……」
とそれをなかば私に感謝するように、なかば××さん――つれあい――に告げるようにいった。妹がなんにもたべられず、強いてたべる一杯の食事をさえもどしてしまうので、私は吐がくると食べたものが出てしまったか、おりあってるかと気にかけてのぞいてみるからである。また××さんの留守に私がほかの部屋で仕事をしてると
「すまないけれど寂しいからここへきてちょうだいな」
という。私は「銀の匙」の原稿をもってそばへいって机にむかう。妹はまじまじと私の顔をみたり、うとうととらくそうに眠ったりする。彼女がながいわずらいのあいだにあいたいといったのは母と私だけだそうだ。