Japanische Klassiker mit Furigana
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つまのざ
妻の座
壺井 栄
Lesen Sie 妻の座 (つまのざ) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 82.695 Zeichen · 165 Bildschirme
野村のそんな性質をはがゆがって、何だかのとき高木千恵子がいったことがある。
「あの人はね、作家同盟の委員になることにも女房と相談しなくちゃ決らなかったのよ。」
まだ元の妻が在世のときのことである。誰にもきびしい千恵子の批判はそのままのみこめはしないが、しかしそうした消極的な一面を野村はたしかにもっているとは思う。その手紙はもう閑子には見せなかった。花におじぎをして、別れた女に未練でもありそうにとってはたまらない。そのご閑子も花についてはもういわなかった。あきらめたのだろう。だが閑子は次第に意地の悪い女になってゆくようだった。それにミネはじりじりした。そして、あるとき急にミネは便所で気を失い、それきり床についてしまった。表面の病名は脳貧血なのだが、ここのところときどきのぼせて金時のような顔によくなった。血圧の昂進と低下が極端におそってくるような不均衡な状態は気持の上にも作用してちょっとしたことに興奮して赤くなったり、腹立てて青くなったりすることが度重なっていた。閑子への不満がもとで悠吉や正子にあたりちらすのである。ねているミネの枕もとで悠吉と正子が話しあっている。