Japanische Klassiker mit Furigana
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つまのざ
妻の座
壺井 栄
Lesen Sie 妻の座 (つまのざ) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 82.695 Zeichen · 165 Bildschirme
その改革に不満があったわけではないが、生活に破れて帰ってゆく女のために、あまりに悲しいそれは結果であった。土を耕すことの好きな彼女に今はもう一坪の土地も待ってはいない。それを用意して迎えてくれる兄弟も親もない郷里へ、閑子はかえってゆくのだ。田舎とはいえ大阪神戸に近いために、都会なみの物価高の中で、一坪の土地も貯えもない女はその日から働かねばならぬ。そして働く前に食糧や燃料のことを考えねばならぬ。季節も考えずにうかつに帰れば、泣かねばならぬと閑子はいう。生れて育った土地である。笑いかけてゆけば笑ってかえってくるだろうと人の心を信じるミネの楽天的な考えを、そんなことはできぬと閑子はてんからはねつけるのだ。さざえのようにふたをして、よろいで固めてしまえば誰がよりつけよう。さざえのふたをこじあけるのは自分の役目だとミネは思う。こじあけずに、閑子自身、なみなみとたたえた海の中でふたをあけたくならせねばならぬ。ミネは閑子に、ミシンを持って帰らせようと思い、それをいった。喜ぶだろうと思った閑子は、腹立たしい顔ではねつけた。
「いいえ、こんな大切なもの、気がはる。