Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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つまのざ

妻の座

壺井 栄

Lesen Sie 妻の座 (つまのざ) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 82.695 Zeichen · 165 Bildschirme

Aozora Bunko

ミネたちのよる文学者会の集合場所は日劇前だった。そこで待合せて隊伍を組んで人民広場へという順序だった。ゆくともう四五人の顔見知りが小さな赤旗とプラカードを中心に集っていた。戸を下した日劇のぐるりは、そのほかにもこの日のための待合せ場所になっているらしく、少しずつのかたまりが幾組も出来ていた。どこかでみたことのあるような気がするのは、目的が揃っているためであろうか。みんな輝くような目で後から集ってくる者を待ちうけていた。

「あらあ?」と叫びながら顔一ぱいで笑いながらかけてくる女があった。ミネも貞子も同じように「あらあ。」といいながら迎えた。絵をかく小川レイ子だった。粗末な手縫いの洋服に下駄ばきの小川レイ子はすっかり年をとっていたが、昔のままの笑顔で、昔のままの声だ。互いに笑顔を交しあってそれで昔にかえれる仲間だった。一と昔前、貞子やミネたちと一しょに雑誌「働く婦人」の編集をしていた。彼女は絵の方の係りだったのである。やはり貞子やミネたちと同じように、彼女の夫は治安維持法違反で刑務所に入れられていた。その当時のレイ子は二人目の子供をおなかにもって、四つ位の男の子をつれて刑務所や裁判所の門をくぐっていた。