Japanische Klassiker mit Furigana
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つまのざ
妻の座
壺井 栄
Lesen Sie 妻の座 (つまのざ) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 82.695 Zeichen · 165 Bildschirme
それは貞子の閑子に対して始めから感じていた気持を、親切な思いやりにくるんで希望した言葉で、ミネの心にもぴんと応えたのであったが、閑子自身はそれをどのように感じとったものであったろうか。そのごに二度三度ミネの家へきた閑子は、いつも忙しがってばかりいた。
「ほんとに大変なのよ。いきをつく間もない位なの。だって、五人の家族が、その日着る下着にも不自由してる位なんですもの。四時半に起きて四つのお弁当で送り出すことだけでも大変なの。からだがもち切れるかと思うほどよ。これまでが独りの呑気暮しだったから、なかなか馴れないのね。何しろハガキ一枚かくひまがないのよ。」
「そんなこといわずに、少し遊びなさいよ。貞子さんがいってたじゃないの。」
「わかってるわ。だけどね姉さん、家の中へ入ってごらんなさい。子供と遊ぶには一そう忙しくしなくちゃならないのよ。家政婦ね。」
「そうだろうね。永い間の不自由のあとだもの。そのかわり喜んでくれるでしょう。」
「子供たちだけは、私のすることが何もかも珍らしかったり、うれしかったりするらしいわ。」
「野村さんは?」
「さあ。」
はにかみでなく閑子は目をそらす。