Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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つまのざ

妻の座

壺井 栄

Lesen Sie 妻の座 (つまのざ) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 82.695 Zeichen · 165 Bildschirme

Aozora Bunko

きれいな人にはこれは分らない。きれいでないものの肩身狭い思いなんて分らないわよ。分っていても、それはひとのことなんだもの。閑子って女はね、とくにそんなことをけいべつしながらとても気にしていた女よ。素知らぬ顔をして気にしてる。そのくせほかのことは鈍感なの。まだ分らないのかしら。ぴりぴりしてる神経ももってるくせにさ、どっかに足りないとこがあるのね。独りでいたせいだと思う。わかったら、だから、どんなに口惜しがるでしょう。」

ミネは毎日、閑子への触覚をぴんと張らして、かまえていた。しかし閑子からは何にもなくて、遂に野村から手紙を渡されてしまった。ぶ厚い手紙はミネのふところでこわばっている。ミネは額にかぶさっているハンカチーフで流れる涙を押えながら駅の方へ歩いた。焼あとのまだ夏草のむらがっている中へはいってゆき、乱雑に一つ所に集めてある大谷石の一つに腰を下した。野村の手紙をみることで、度胸ができたのか涙はもう納った。この上現状をつづけることはお互いの不幸を重ねるだけだと書いてある。二十一年間つれ添ったせんの女房が私のからだに染っていてそれがじゃまをするとかいてある。