Japanische Klassiker mit Furigana
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かしまし(かしまし)
姦(かしまし)
久生 十蘭
Lesen Sie 姦(かしまし) (かしまし(かしまし)) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.914 Zeichen · 22 Bildschirme
と、まァ説いてきかせると、志貴子のやつ、含み笑いをして、実は昨夜、木津さんに見つかってしまったらしいというじゃないの。……お話中……お話中ですよ……あたしのおどろきっちゃなかったわ。どきっとして、息がとまったくらい。……
こうなのよ。「昨夜、麻布に用があって行った帰り、一本道の横通りでバッタリと木津さんと顔が合うてしまいましてん。こら、えらいこっちゃ思うて、いきなり駆けだすと、木津さん、どこまで追うて来やはるやありませんの。駆けっこなら自信があるねんけど、木津さん、コンパス長うて、すぐに追いついてしまはりますねん。どないしょうと思いながら、なんたらいうお寺さんの前までゆくと、門脇の潜戸が開いてますのんで、とっつきの、枳殻の生垣をまわした墓石のうしろにしゃがんで、息ィついていたら、木津さん、そこへドサドサ入ってきやはって、墓石の向側に棒立ちになって、大目玉むいてギョロギョロしてはるさかい、もうあかんと観念しましてん。入ってくるならこい思うて、平気にかまえてたら、木津さん、生垣の前に立ってはるだけで、いつまでたっても入って来やはれしません。じりじりしてきて、墓石の端のほうからそっと覗いてみると、こないして、手ェ眼にあてながら、ぶつぶついうてはりまんねん。