Japanische Klassiker mit Furigana
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むすめとおおきなかね
娘と大きな鐘
小川 未明
Lesen Sie 娘と大きな鐘 (むすめとおおきなかね) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.769 Zeichen · 8 Bildschirme
これについて、ここに、哀れな話があるのであります。
それは、いまから、ずっと昔のことでありました。このお寺に、年とったお坊さまと寺男がいました。寺男には、十三、四になった娘がおりました。お坊さまは、もう、毎朝、お堂へ出て、お経を上げるのがやっとのくらいでありました。
寺男は、また、朝早く起きて、鐘つき堂へいって、鐘をつきました。この寺の鐘は、このあたりにはきこえたほどの大きな鐘でありました。百姓は、この鐘が鳴ると目をさましました。それから、飯を食べて、圃や、田へ出かけるのであります。
また、働いて疲れた時分、昼ごろになると、この鐘が鳴りました。それを聞くと、百姓は、
「さあお昼だ。家へ帰ってご飯にしよう。」と、彼らは、家へ急ぎました。そして、骨休みをして、それから、また、田や、圃へ、出かけたのであります。
また、暮れ方になって、雲の色が、ばら色がかるころになると、寺の鐘がきこえたのです。そして、広やかな野原の上を、どこまでも響いていったのであります。
「ああ、もう、日暮れ方になった。また、あしたにしよう。」といって、彼らは、仕事をきりあげて、連れだって、野道を話しながら、てんでに家をさして帰ってゆくのでありました。