Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
むすめとおおきなかね
娘と大きな鐘
小川 未明
Lesen Sie 娘と大きな鐘 (むすめとおおきなかね) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.769 Zeichen · 8 Bildschirme
お坊さまは前歯の抜けた口をもぐもぐさしながら、
「赤いすいれんの花を煎じて飲めば、たいていの病気はなおるものじゃ。」と、答えました。
娘は、寺を出て、里川をたずねて歩きました。どこを見ても、赤いすいれんは咲いていませんでした。一つ山を越して、そこには、大きな池があります。大空に漂っている、夏の雲が、静かな水の面に、影を映していました。娘はその淵に立って、水の上を見ますと、そこに、赤いすいれんの花が、二つ三つ、ちょうど星のように、美しく咲いていたのであります。
「まあ、きれいだこと。これを採ってお父さんのところへ持ってゆこう。」と、娘は思いました。
娘は、手をさしのべて、赤い花を取ろうとして、水の中に指をいれますと、どこからか銀光りのする白い糸のようなものが、手くびにからまって、しっかりと巻きつきました。そして、するすると娘を引きずって、だんだん深みへといれてしまいました。
「あれ!」といって、娘は、声をたてる暇もなく、姿が水の中に没しますと、そこに、それはそれはりっぱなお寺が、水の中にあらわれて、池の底の方から、鐘の音が響いてきたのであります。
ちょうど、それと同じ時刻に、寺の鐘つき堂につるしてある鐘の太い綱が切れて、鐘は、地ひびきをたてて下に落ちたのでした。