Japanische Klassiker mit Furigana
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こんきはずれ
婚期はずれ
織田 作之助
Lesen Sie 婚期はずれ (こんきはずれ) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.054 Zeichen · 16 Bildschirme
父親はいつのときも賛成も反対もせず、つまりは煮え切らず、ぼそぼそ口の中で呟いているだけだったが、おたかはまるで差出でて、仲人こ向い、格式が違うことあれしまへんか。と、いつもその調子で仲人を怒らしてしまい、簡単に話は立ち消えた。当座の小気味良さも、しかしあとでむなしい淋しさと変った。だから、義枝にはあんな仕様むない男に貰われたらお前は一生の損やさかいにといい聴かせ、それをまた自分へのいいわけにもした、よその娘なら知らず、義枝の父親は理髪組合の総会へ洋服で出席した最初の人で、なお町会の幹事もしているのだ。けれども、流石に断り通して来た責任はだんだんに感じられた。……
ところが、こんどの相手は畳屋の年期職人上がりで、ときいてみると、それも予期した通りのようだったが、矢張りおたかは顔色を変えた。散髪屋も畳屋も同じ手職稼業でたいした違いはないようなものの、おたかにしてみれば口惜しいほど格式が落ちたと思われ、だから断るにもサバサバした気持だった。
仲人はあきれて帰って行った。暫らくおたかはぺたりと坐りこんだまま、肩で息をし、息をし、畳の一つところを凝視めていた。